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お役立ちリンク
国立国会図書館デジタルコレクション
能の台本:能「小鍛冶」観世流謡本
(コマ番号35より「小鍛冶」)
※謡本に書かれている文章は流派などにより上記謡本から変わる事がありますがかなり参考になると思います。
the能ドットコム
演目辞典:小鍛冶(こかじ)
(現代語訳・あらすじ・舞台写真など)
株式会社檜書店
『対訳でたのしむ 小鍛冶』
(書籍)
登場人物の姿について
当サイトに掲載している小鍛冶のイラストのために誤解が生じてはいけないと思い、念のためご注意ということで。。
能「小鍛冶」に登場する稲荷明神は能面をつけて登場します。
流派その他によりどの面をつけるか変わりますが、代表として「小飛出(ことびで)」があります。
能面の部分をもっとよく見たい!という方はぜひ画像検索でご確認ください♪
ちなみに三條小鍛冶宗近もロン毛ではありません(演じられる方がそのままの髪型で登場します)。
能楽堂での鑑賞位置について
能「小鍛冶」の上演時間は約1時間20分です
大きな見せ場である稲荷明神と三條小鍛冶宗近が小狐丸を打つシーンですが、左図のような配置で行なわれます。
脇正面の席に座った場合、座席位置によっては稲荷明神の背中(または二人の背中)しか見えない可能性が高いです。
しっかりとご覧になりたい場合は正面席または中正面に座られることをおススメいたします。
稲荷明神の頭の色が違う…!これは一体?!
能の番組(ばんぐみ:プログラムのこと)を見ると「小鍛冶 黒頭」や「小鍛冶 白頭」などと書かれている場合があります。
ん?この「黒頭(くろがしら)」とか「白頭(はくとう)」って何???
何も書かれていなければ赤い頭で稲荷明神が登場する、という事は知っていますがそれ以上は…!
という訳でこちらの方に解説をして頂きました。(;>_<)いつも頼りにしてますっ!
柏木ゆげひ
3ヶ月に1回「能のことばを読んでみる会」開催中。
大学の部活動で能と狂言に出会って以来、その虜。趣味で能楽研究、特に好きなのは能楽史。
兵庫県に大量に存在する神社能舞台で何かできないか思考中。
《Twitter》https://twitter.com/kashiwagiyugehi
《Web》http://noh-and-kyogen.com
頭(かしら)は、能の中では神様や龍神、幽霊など、「普通の存在ではない」であることを表す扮装です。
特に赤頭は荒々しさ、黒が幽霊・狂乱など、白が年を経てスケールが大きい様子を表現することが多いです。
(ただし例外は多々ありますので、それぞれの演目で確認してください)。
基本的に、白頭は特別な演出で使われるもので、特に「ハクトウ」と音読みして、能楽では大切に扱われています。
能《小鍛冶》の場合は、後シテ(後半の主役)、稲荷明神(またはその使いの狐)の時に使われます。
頭の上には「狐載(コタイ)」という小さな狐を載せて狐であることを表現しています。
狐でかつ稲荷明神なので、その威力と獣性と神性の3つの要素があって、それぞれ、どこを強調して演じるのかが変わってくるわけです。
白頭(ハクトウ・しろがしら)
老体となってスケールが大きくなっているので、よりどっしりと、たっぷりと演技されます。
ただし《小鍛冶》の場合は、流派によっては小刻みに足を抜いて歩く「狐足」や、ジグザグに橋掛を出てきたりと、獣性の荒々しさが表現されることもあります。
小刻みに足を上げているのが狐足です。
黒頭(くろがしら)
白頭や赤頭の時には一番上に着ている「法被(はっぴ)」という装束を脱いで、より俊敏さが表現されています。
また、同じ理由からか、頭の上の「狐載(コタイ)」もなくなっています。
【補足】
また特に「重キ黒頭(おもきくろがしら)」とか「黒頭別習(くろがしらべつならい)」と呼ばれる演出があって、とても大切に扱われています。
その時は登場の囃子(音楽)が能《石橋(しゃっきょう)》で、獅子が登場する時と同じものに変わります。そのことで、より獣性が強調される形となっています。
使用される能面も異なります。 通常の赤頭の《小鍛冶》では「小飛出」が使用されますが、白頭の時には金泥で塗られた「泥小飛出」や「大飛出」などの面に変化します。
黒頭の時は「狐蛇」と呼ばれる、恐ろしい形相のものとなります。
ここに記したのは一般的なおおよその話です。それぞれの上演時に流派や出演者の工夫などによって変化する場合があります。
ゆげひ様、どうもありがとうございました!
三者三様の稲荷明神の魅力、お楽しみください♪
3タイプ違った稲荷明神が打てば、やはり3タイプの小狐丸さんが誕生するのでしょうか…!
↓こ~~んな風に♪
甚だ楽天的な想像をして解説を終わりたいと思います♪
妄想は続くよどこまでも・・・
そして、たくさんのご反響に・・・!