ワニのおっちゃんによる能楽にまつわる“そもそも話”や“ちょっとした小話”のコーナー。
1食目:「能楽」っちゅー言葉
「能楽」は能と狂言の総称です。
特に能を「能楽」と呼ぶのだと誤解されている事例を見掛けることがあります。
ぜひ能楽=能&狂言と覚えてくださいね♪
かく言うkyoranはんもはじめは“能のイラスト”のつもりで「能楽イラスト」ちゅー言葉を使ってたんやで。
後になって間違いを知ったんやけど、「ほんなら狂言のイラストも描いてこ!」ってことで現在の楽しい状況に至ってまっさ!
2食目:器用な人でも受け持ちは一人ひとつやで
特に「囃子方」については更に笛方・小鼓方・大鼓方・太鼓方に細分化しています。
例えば笛方が小鼓を打つことなどはありません。
お祝い事とかの特別な時に「乱能(らんのう)」っちゅーのが開催される場合があるで。
これは例外的にみんなが普段とは違う役をやるんや。
「笛方が狂言をやる」とか「シテ方が太鼓を打つ」とかそういう感じやで。
ちなみに乱“能”と言ってるけど、能だけじゃなくて狂言の上演もあるで。
もともとは普段とは違う役を経験することで舞台を学ぶ研鑽会みたいな感じやったらしいけど、今は能楽ファン向けのお楽しみ上演会みたいな色合いが濃い乱能が多いんちゃうかな~。
3食目:誰もが正座との闘いやで
しびれないように座る、ではなく逆転の発想。
足はしびれる前提で、次に立ち上がるまでの時間を逆算してゆっくりとしびれを取って行くようにするそうです。
※ある囃子方の先生の談なので人によって方法が違うかも知れません。
実際に舞台を観ていると、足のしびれによる演者の転倒に遭遇することが稀にあるで。
転び方によっては大ケガをする場合があるから笑い事ではないんや~。
4食目:拍手はせんでもダイジョウブやで
能鑑賞では「無拍手」万能!
逆に曲によっては拍手することが嫌われてしまう事も。
無拍手は演者の方に失礼では?と不安になるかも知れないですが、全員が舞台から退場するまで空気を保とう、集中して観よう、などの前向きな姿勢として受け取られます。
kyoranはんの少ない鑑賞経験の話やけど、実際どんな感じな曲でも最後に拍手しないことで問題になったことないんやて。
派手でにぎやかな曲も例外無くやで~。
だから拍手について悩んでしまって舞台鑑賞が心配になることはないから、どんどん足を運んでや~!
5食目:能楽は大きさの呼び方までカッコえぇんか~い!
能舞台で演者が謡ったり舞ったりする所といえば「本舞台」と「橋掛り」がありますが、主に使用する「本舞台」の大きさは「三間四方(さんげんしほう)」と呼ばれる大きさです。
「四方」とついている通り、本舞台は正方形をしています。
「三間」は昔の長さの単位で約5.5m。
という訳で、
本舞台は一辺約5.5mの正方形
⇒面積は(5.5m×5.5m)約30㎡ほど
この中で能・狂言の世界が日々繰り広げられているのですね♪
なんやうんちく垂れてもうたけど、単に「三間四方」の語感が「序破急(じょはきゅう)」に並ぶカッコよさだから紹介したかっただけやで~。
そういえば、基本は本舞台で曲が進行するけど、横にポーン!と伸びた橋掛りがまたええ仕事するんよなぁ♪
kyoranはんは、あの三間四方の大きさは曲に没入して観るにはちょうどえぇと思ってるらしい。
逆に仕舞を舞った時には、きちんと運ぶ(すり足で歩く)ペースを把握しておかないと一気に狭くなった!と感じた…ちゅーことだそうですわ。練習不足だったんとちゃうか~?